一昨日(2019/09/27)にヤフーニュースに転載されていたので、お読みになった方も多くいらっしゃるかもしれないと思い、ちょっとこの記事について触れてみたいと思います。
ヤフーニュースのURLを貼っておきますが、ヤフーニュースはすぐにリンク切れになってしまうので、あらすじを以下に記します。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190927-00010000-yomidr-sctch
元の記事 ヨミドクター
【「子どもをお風呂に」と帰る若手と「10時まで残業」の中高年社員…職場に高まる不満をどうする?】
記事を執筆されたのは産業医の夏目誠先生。
産業医として企業で働く社員の相談を日々受けている中でのこと。
若手社員からは受けた相談は、
夫婦フルタイムの共働きで、それぞれ担当を決めているが、この相談者の男性(夫)はその役割(子どもの入浴など)をこなしていないと妻から責められる、とのこと。
仕事で簡単には早く帰れないと言い訳すると、「それは私(妻)も同じ。」と返されてしまいます。それで上長に相談しても、若手が早く帰るからベテランにしわ寄せが来ている、とうやむやにされてしまっている、という悩み。
その中での最後のやり取りは
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中川さん: 40歳以上の先輩たちの奥さんは専業主婦なので、男は仕事に専念できます。でも、僕らは夫婦が平等だから、妻に一方的に家事や育児の負担をかけるわけにはいきません。
私 : なるほど、なるほど。
中川さん: 世代間のギャップはどうしようもない。妻のことを考えると、板挟みですね。
中略
中川さん: 先生は、多くの人の面談をされていますね。何か、いい方法がありますか?
私 : 難しい問題ですね。休日は夫が子どもの相手をすると決めている人がいます。平日は、妻の負担は大きいですが、現状よりはましでしょう。
(少し明るい表情になって)
中川さん: 平日は妻が中心に、休日は僕が。
私 : 平日でも、間に合う日は、早めに帰宅をね。お互いに疲れが残らないように。親の役割も重要ですからね。
中川さん: 妻と再度、話し合います。
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続いて課長から受けた相談は、職場で若手とベテランが上手くいっていない、というテーマで、まだ仕事が残っているのに若手はさっさと帰ってしまう、ということにショックを受けたというところから話が始まります。
引用すると
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課長: 若手に残ってほしいと言っても、子どもをお風呂に入れる時間に間に合わなくなるからと、さっさと帰ってしまうんです。
中略
課長: そうです。時期を待てない業務は若手社員にも「業務命令」で残業としてやってもらっています。それ以外の場合、解決策が見つからないですよ。若手と話したいと思って、飲みに誘ったのですが、「家事をしなければならないので」と断られた。これもショックで。
中略
課長: それとなく、「仕事だからと。ベテランも残ってしているので協力してよと。それが社風ですよ」と言ったんですよ。
私 : それで。
課長: 彼らは「そんなお説教をされても、今どき会社中心の考えには無理がある。ベテラン社員の奥さんは専業主婦。我々は全員、共働きで、妻も正社員ですから」と主張しますね。
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この記事では「世代間ギャップ」「世代間対立」として、
共働きの若手夫婦 vs 専業主婦を持つオジサン
と描いていますが、私が思うにこれは現状を上手く示しているとは思いません。
少なくとも私が現在の職場を始め、様々な職場で見てきたのは
子育て中のフルタイム共働き夫婦 vs 家庭もしくは子どもを持たない人(男女問わず) vs 専業主婦を持つオジサン
の三つ巴の対立になっているように思います。
同じ若い世代でも家庭を持っていない人、持っていても子どもがおらず夫婦ともにバリバリ働いている人は、子育てがあるからと早く帰る人を好ましく思っていないように私の目には映っています。
早く帰る人や育休のしわ寄せがその人たちにいったりしますからね。
さらに今は仕事(職場)に対するスタンスもバラバラです。
かつての昭和時代のように、「24時間戦えますか?」「企業戦士」のスタンスで働いている人は少なくなっています。(企業側・上司側でこのスタンスを求める人は意外と未だに多い気がしますが)
今回のこの例のように子育てに関わろうという男性ほど、色々な間に挟まれています。
妻からは「早く帰ってこいプレッシャー」や「分担したんだから家事をやれプレッシャー」が圧し掛かり、会社では一定の成果を求められ、世間からは(僕は好きではない言葉ですが)イクメン的な振る舞いを求められる。
もちろん女性も同じです。
ただ、特に職場において男性に向けられる目線と女性に向けられる目線は違うと言ったら反発を喰らうでしょうか?
少なくとも僕は違うと感じています。それは僕が未だに昭和の働き方が蔓延している職場で働いているせいかもしれないし、管理職だからかもしれません。
個人的に「働く」をテーマに色々と関わってきた私にとって、そして今現在、子育てしながら働くまっただ中にいる私にとっては、日々悩んでいることでもあり、この子育て世代の働き方問題はまた定期的に取り上げたいと思います。
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